ファンダメンタルズ分析はなぜFXデイトレードの役に立たないのか?

 

私はFXのトレードをする際に
ほとんど全てのファンダメンタルズ要因を無視します。

 

 

それはファンダメンタルズ要因を
軽視しているからではなくて
5日間以下のポジションを持ったデイトレードでは
ファンダメンタルズ要因を
トレードに活かすことは凡人には不可能だからです。

 

 

私の過去の経験によれば
ファンダメンタルズや要人発言に反応したりすると
うまくいかせないどころか
ペースを乱されてマイナスになることが多いのです。

 

 

中途半端に経済や金融ををかじった人が
何年もボロボロに負け続けて
日経新聞や経済原論など視界に入ったこともないような
普通の家庭の主婦がトレンドフォローに乗って
勝ちまくるというのがFXの現実です。

 

どうしてこのような一見すると
矛盾しているようなことが起きるのか
少し考えてみましょう。

 

 

 

 

まず最初に断っておきたいのは
私が FX トレードにおいて
ファンダメンタルズ要因を無視すると書きましたが

売買をするのに参考にしないということであって
一切情報を認識しないということではありません。

 

 

例えばゴールドや原油の値動きは常に把握していますし
アメリカの雇用統計を中心とした要人発言も
チャートツールにリアルタイムに
流れてくるようにしています。

 

その他にももっと長期的な材料として
紛争の動向や天変地異なども
出来る限り積極的に集めるようにしています。

 

では私はなぜこのように
ファンダメンタルズ要因に関して情報を集めているのに
「無視する」などと書いたのでしょうか?

 

私がファンダメンタルズを無視するというのは
「値動きの予測に関して無視する」 という意味です。

 

結論から書いてしまいますと
FX トレードにおけるファンダメンタルズ要因というのは

「大事件が起きたから円はいつもと違った値動きになりそうだ」
という判断を下す材料です。

 

「日本にとって不利な事件が起きたから円が下がりそうだ」
などという値動き自体を予測するものではありません。

 

勝ち組のトレーダーにとっては
この区別というのは簡単なものなのですが
慣れていない方にとっては 理解が難しいようです。

 

この事に関して私がいつも例として取り上げるのが
東日本大震災の時のドル円の動きです。

2011年 3月11日に
地震の規模以上に津波が原子力発電所を直撃すると言う
人類の歴史に残るような大きな規模の事故が起こりました。

 

また街ひとつが焼け野原になるというような
痛ましい火災被害も出ました。

 

常識で考えればその状況であれば
ドル円は一方的に円安に向かっていくはずですが
地震の直後だけは瞬間的に円安に触れましたが
状況が落ち着いてくると円高一辺倒という
常識では考えられない相場展開になりました。

 

実際には円高になった理由が
後付でたくさん出てきましたが
コメンテーターやテレビの視聴者のように
他人ごとならば 後付の解説を聞いていれば済みますが
私たちトレーダーは その場で
その状況に対処しなければいけません。

 

後から実はこうだったんですと言われても
負けてなくなってしまったお金は返ってきませんよね 。

 

しかしこういったことというのは
何も東日本大震災の時でだけでなく
規模が違うだけで
ファンダメンタルズと矛盾した値動きというは
日々起こっているのです。

 

 

そういったことを踏まえて
私は この311 地震のような 突発的な出来事が起こった際には
どのように対応するのが良いのだろうかと
日々考え続けてきましたが
やはり答えはひとつしかありませんでした。

 

三十六計逃げるに如かずです。

 

皆さんご存知のように
これは古代中国の 軍略家である孫子の言葉ですが
実は孫子は 資金管理などについても
非常に示唆の深い言葉を他にも残しています。

 

 

 

 

 

そして同じく古代中国に諸葛亮孔明という軍略家もいます。
彼もまた皆さんご存知だと思いますが
孔明は同時代のどの軍師も叶わないほどの
大天才だったわけですが

その生涯を通じて
ライバルと思しき人物が二人ほどいます。

 

呉の国 の大将軍である周瑜と
魏の国の軍師である司馬懿仲達です。

 

 

二人とも これでもかというほど
徹底的に孔明にボコボコにされ続けるわけですが
周瑜と司馬懿仲達の 最後はまるで正反対です。

 

周瑜は 大天才の孔明を前にしても
逃げることを知らなかったために敗れて殺され
司馬懿仲達は 慎重な人間であったために
最後の最後まで 孔明と大決戦することを避けて 生き残り
孔明の寿命が尽きるまでとうとう粘りきりました。

 

周瑜と仲達の二人は戦争のファンダメンタルズ分析において
決定的な違いがあります。

 

周瑜は自分の集めたファンダメンタルズ分析に過信をして
決戦を挑み破れてしまいます。
仲達は全てのファンダメンタルズ 要素を収集した上でも
孔明の計り知れない力を恐れて決戦から逃げ回ります。

 

そして孔明の寿命が尽きいなくなると
トレンドが自分の方にあると判断して
いよいよ全軍で孔明を失った蜀の国に襲いかかるのです。

 

これも皆さんよくご存知だと思いますが
この決戦で、死せる孔明生ける仲達を走らす
という有名な故事が生まれますよね。

 

様々な情報を集めて孔明は100%死んでいるだろうと
確証を得て蜀の国との決戦を覚悟した仲達が
生前の孔明の影武者による偽装によって
あたかもまだ孔明が生きているかのように思わされて
「そんなバカな!孔明は死んだはずだ」
と狼狽し、死んだ人間である孔明を
仲達がまだ恐れて逃げ回ったという話です。

 

 

私はこれを戦争の技術論であると同時に
商売や相場取引の哲学であるとも受け取っています。

 

周瑜のように大敗北をするわけにはいきませんので
常に仲達のように万全に情報を集めて
滅多なことではイチかバチかの白黒勝負に出ないのが
重要だと心得るべきでしょう。

 

我々凡人はいかに努力しても
諸葛亮孔明のような天才にはなれないのですから
負けは小さく抑えつつ
勝ちを積み重ねていくには
司馬懿仲達のように
常に逃げることを考えておくべきですよね。

 

 

 

その上で話を現代に戻しますと
何かが相場を動かすような要因があった時に
つまり相場を押し上げたり下げたりする要因があった時に
自分の判断で上下どちらに動くか 決めてはいけないのです。

 

どちらに動くかを自分で判断するのではなく
何かが起こりそうだから両方に心構えを備えておく
というのが負けを避ける発想方法なのです。

 

例えば何年か前の大統領選で
トランプ大統領が当選した際には
前評判ではトランプ大統領が生まれるはずがなかったし
もし間違ってトランプ大統領が当選したとしたら
ドル安に向かうだろうと予測されていました。

 

しかし結果は1から10まで全て外れました。
もちろん私自身もあっけにとられましたが
ほとんどの専門家も全ての予測が外れました。

 

この場合ももちろん
大統領選挙で誰が勝つかとか
どちらかが勝ったらドルの相場が上下どちらに動くだとか
そういった人智を超えた予測をするべきではありませんでした。

 

そうではなくて
もしも突飛な結果ならば相場は上下に大きく動いて
自分のポジションも否応なく損切りさせられる可能性が高い。

 

大統領選でも予想と違った結果が出れば
上下どちらに動くかは神様にしか分かりませんが
振れ幅が大きくなるのは
我々凡人にも容易に予測ができますから
つまり ポジションを切ってスクエアにしてしまって
高みの見物が正解です。

 

外国為替相場というのは月曜日から金曜日まで
数十種類という多くの銘柄で24時間稼働しています。

何もオリンピックと同じで四年に一度しかない
大統領選挙が行われている時に
丁半博打に打って出る必要はありません。

 

 

FXで確実に勝ち続けるためには
のんびりとした陽だまりの中で
子供でもわかるような簡単なチャートで
事件が起きていない時に稼げば良いのです。

 

つまりファンダメンタルズ要素というのは
強風や大雨を避けて、お散歩日和の日に
穏やかな道だけを歩いて行くために使うのです。

 

ファンダメンタルズ分析で
値動きの予想をしてはいけません。

必ずチャートの裏付けを取って
マーケットのみんなが 偏った方向に行きだしたら
その時初めて自分も重い腰を上げて
行列に入ってゆっくりとついていけば良いのです。

 

絶対に間違えたらいけないのは
みんなが 偏った方向に動いていることは
チャートで確かめなければいけません。

例えば値動き の根拠を要人発言などに求めたりすると
必ず裏切られます。

チャートは滅多に裏切りません。

 

もちろん 自分の観測とは
逆に向かっていくこともありますから
大打撃を受けない場所に
損切りを置いておくのはもちろんですが
損切りをする場合にも
私はファンダメンタルズの要素は無視します。

 

前回の高値や前回の安値 などを超えて
逆に値が動きした場合だけ
何事もなかったように切ります。

 

(損切り方法の細部については
また記事を改めて詳述して行こうと思いますが
とりあえず前回の高値安値というのはとても大事です)

 

 

ファンダメンタルズ要素を値動きの推測に使える人は
ごくごく一部の天才だけです。

私たち凡人がニュースなどでトレードしたりすれば
自分でも何をやってるかわからない状態に
陥ることが多々あります。

 

ファンダメンタルズ要素は
為替が動き出す予兆や可能性のようなものだと
考えているのが一番有用です。

 

 

 

今回は取引経験が浅い初心者の方には
かなり理解が難しかったと思いますが
この感覚を身につける簡単な方法があります。

 

FX業者のソフトにしろMT4にしろ
チャート分析ソフトでは毎日必ず
指標の発表や要人発言などの予定が記されています。

 

最近では FX 業者のサイトなどには
わかりやすく予想値や速報値なども入っていますので
どなたでも簡単に理解できるでしょう。

 

例えばよく話題になるのはアメリカの金利ですが
これが単に上がったからドルが上がるかと言うと
そう単純なものでもありませんし

予想値と比べて速報値が高い場合は
もちろんドルが上がっていく可能性は高いのですが
一旦下がってから上がっていくなど
とても一筋縄ではいきません。

 

こういう時にどう対処したらいいかと言うと
発表を見て自分で判断して売買をするのは絶対に駄目です。

 

これを何度もやると絶対に負けます。

 

そうではなくて
「急なドル高があるかもしれない」
「ドル安トレンドに見えても騙しの可能性があるな」
などとテクニカル分析の精度を上げるのに使うのです。

 

あくまでも主役はテクニカル分析で
その足りない部分をファンダメンタルズ要素で
補うという感じです。

 

 

FX のデイトレードで勝つということは
明日や来週の天気を当てることではありません。

今降っている雨が5分後や1時間後に
強くなっているか止んでいるかを
慎重に推測することなのです。

 

5分後や1時間後の雨の強さであれば
今降っている雨の量と空の雲の量で
かなりの精度の高さで推測できますよね。

 

自分の判断が入る余地はないはずです。

それがテクニカル分析です。

 

無限に近い量の様々な要素から
遠い未来の空模様を当てようとするのが
ファンダメンタルズ分析ですので
天才以外には値動きの予測には使えないのです。

 

それが私がデイトレードにおいて
ファンダメンタルズ分析を無視する理由です。

 

 

 

さて以下は蛇足になりますが

ファンダメンタルズ分析を直接トレードに使うのではなく
日々のトレードの補助として使うのであれば
勉強する意義はとても有効です。

 

以下の書物はこのサイトの中でも
繰り返し紹介させて頂いているものですが
私も暇さえあれば参照していますので
皆様にも安心してお勧めできます。

 

 

 

 

小口幸伸氏の外国為替知識の解説は
非常に鋭く分かりやすいので
初心者の方にも中級者の方にも
得るところが大きいと思います。

 

 

 

 

テクニカル分析とファンダメンタルズの関係性を
明快に説明している書籍です。

 

トレード「学」と銘打っていますが
実際にはとても軽やかな口調で
相場取引上の実践的なことを
分かりやすく解説してくれています。

 

私は常にAmazon上に現れる
トレードに関する本にはほぼ目を通していますが
日本人の著者によるこういった類書は
まだ見当たらないのが非常に残念ではあります。

 

テクニカル分析の重要部分の解説もありますが
実際の勝ち組トレーダーのライフサイクルや
知り得た情報に対する反応の仕方など
日本の書物やインターネットでは知り得ない
素晴らしい情報が詰まっています。